𡧃野 湧Yu Uno

𡧃野 湧

※画像と出品作品は異なる場合があります。

Profileプロフィール

2022年3月に京都市立芸術大学大学院修士課程陶磁器専攻を修了。
人とやきものとの新しい関わり方を提示し、やきものの新たなあり方を提案しています。
特に、陶磁土素材の割れや欠けといったやきもの特有の脆さや、われもの素材の保存方法に着目し作品発表を行っています。

文化や美術において、ものの保存状態を維持し続けることは歴史の足跡をたどるために必要な条件だと考えています。この発表では、作品をできるだけ長く保存するために修復作業の可能性を視野に入れつつ、あえて破損や経年変化の起こりやすい素材を用いて、その過程を想定して作品を制作します。

陶磁土素材のわれものと人間との関わり方を再考するきっかけとなる作品を展示することで、ものの存在やものへの触れかた、その遺し方について新たな視座を設け、文化や美術といった歴史に対する提案を行います。

Statementステイトメント

山は私にとって特別な場所です。妥協や慢心をせず登ることで、山に背筋を正してもらえる気がします。とはいえ、その姿勢も日々のあれこれによって切り崩され、偉大な山の風景も、忘れたくないのにもかかわらずだんだんと綻んでしまいます。

記憶の曖昧さはとても移ろいやすいものですが、それは陶芸にも当てはまると言えます。
陶芸の制作は、作品を変化させる機会をたくさん抱えています。水分を含んだ陶土が乾燥するとき、作品を焼成するとき、釉薬が熱によって変質するとき・・・。あらゆる過程を経て、残り得るものだけがただ残っていきます。

私は山登りの際に見た風景をもとに陶製の絵画を描いています。この陶土をつかった平面作品は、制作過程でヒビが入ってしまったり、絵画の主要な部分が剥がれ落ちてしまうことが多々あります。 忘れたくない風景を収めようと陶土を焼結させても、肝心な部分が抜け落ちてしまうこともあります。

それでも残そうとする意思をもって、陶芸の視点から、残ったものを忘れないように保存し続けます。

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